子どもの歯が黒いときはむし歯か着色か見分け方と受診までの注意点|大阪京橋駅の歯医者|京橋オレンジ歯科クリニック

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子どもの歯が黒いときはむし歯か着色か見分け方と受診までの注意点

子どもの歯が黒いときはむし歯か着色か見分け方と受診までの注意点

お子様の歯に黒い点や線を見つけたときの考え方


子どもの歯が黒く見える原因にはむし歯のほか着色汚れや歯石もあり、見た目の色や歯ブラシで落ちるかだけでは見分けられません。


この記事では、むし歯と着色を見分けるポイント、痛みがなくても受診を考えたい目安、乳歯と永久歯でのちがいをまとめました。受診までにおうちで気をつけたい磨き方や、歯科医院へ伝えると診察に役立つことも順にご説明いたします。


この記事の要点まとめ


  • 子どもの歯の黒い点や線は、むし歯・着色・歯石など複数の原因があり、見た目や歯磨きで落ちるかだけでは判断しにくいため、歯科で確認を。
  • 痛みがない場合もむし歯の可能性があり、乳歯や生えたての永久歯は進行しやすいことがあるため、症状や変化に応じて受診を検討する。
  • 受診までは強くこすらず普段通りに磨き、気づいた時期・場所・症状や写真を記録して歯科へ伝える。

子どもの歯が黒いのはむし歯?着色?見た目だけで見分けにくいのはなぜ?

子どもの歯が黒いのはむし歯?着色?見た目だけで見分けにくいのはなぜ?

むし歯・着色汚れ・黒色歯石はいずれも黒っぽく見えるため、色の濃さや歯ブラシで落ちるかどうかだけで見分けることはできません。それぞれの特徴と、家庭での判断が難しい理由をご説明いたします。


むし歯で黒く見えるときの特徴:溝の奥・穴やへこみ・周りの白い濁り


むし歯は最初から黒いわけではありません。はじめは穴があかないまま歯の表面がとけはじめ、白くにごって見える初期むし歯(白斑病変)の段階があります。国際的なむし歯の目安(ICDAS)でも、こうした表面のわずかな変化から段階を追って見ていきます。


進行すると奥歯の溝の奥に黒い線が入り込んだり、周囲が茶色っぽく透けたりします。さらに進むと表面にざらつきや穴、へこみが生じるようになります。


着色・ブラックステイン・黒色歯石で黒く見えるときの特徴


むし歯以外では、お茶やぶどうなどの飲食物による着色汚れ(ステイン)や、血液成分が混ざった黒色歯石があります。また、色素を作る細菌(色素産生菌)によるブラックステインでは、歯ぐきのキワに沿って黒い点や帯状の線が見られます1。


ブラックステインがある幼児は、むし歯になった経験が少ない傾向があると報告されています1。ただし、むし歯が同時に起きないとは限りません。このほか、予防処置のシーラントや詰め物の境目の変色、歯をぶつけた後の内部からの変色、むし歯の進行止め薬の影響で黒く見えることもあります。


「歯ブラシで落ちない=むし歯」とは限らない理由


ブラックステインや歯石は歯の表面に強く付着しているため、毎日の歯磨きではほとんど落ちません。反対に、表面の着色のすぐ下にむし歯が隠れているケースもあります。


そのため、一般的に歯科医院では色だけで判断せず、専用の器具で表面の硬さやざらつき、溝の奥の広がりを確かめて見極めます。


ポイント

黒い点や線はむし歯だけでなく着色や歯石のこともあり、歯ブラシで落ちるかどうかでは見分けにくいため、歯科医院で確かめてもらいましょう。


痛みがない・学校の歯科健診で指摘されなかったなら、様子を見てもよい?


お子様が痛がらないことや学校歯科健診で指摘がなかったことは、むし歯ではないと言い切れる根拠にはなりません。症状に応じた受診時期の目安を整理いたしました。


よくある誤解:「痛がらない」「健診で異常なし」なら心配いらない?


子どものむし歯は、かなり深くなるまで痛みやしみる症状が出にくい特徴があります。また、学校の歯科健診は限られた時間と照明の中で多くのお子様を診るスクリーニング(ふるい分け)であり、奥歯の溝の奥や歯と歯の間の小さな変化までは判定しきれない場合があります。


ご家族と受診を相談する際は、「削るためではなく、むし歯か着色かをはっきりさせるために一度診てもらおう」と伝えると共有しやすくなります。


数日以内に受診したいサインと、通常の予約でよい状態の目安


次のようなサインがあれば早めに受診し、ないときはふだんの予約で相談してください。むし歯は深く進むほど、治療の範囲が大きくなることがあります。


受診の目安お子様に見られるサイン・状態
数日以内の受診ズキズキ痛がる、冷たい・甘いものがしみる、歯ぐきの腫れや白いできもの、片側だけで噛む・硬い食事を嫌がる、穴が急に広がった、歯をぶつけた後に色が変わった
通常の予約で相談痛みやしみる様子がない、食事や睡眠に支障がない、小さな点や線のままで急な変化が見られない

痛みがなくても、むし歯であれば進行を止める対応が選べるため、予定を調整して一度受診することをお勧めいたします。


腫れや痛みが出ても、残っている薬を自己判断で使わない


受診の前に痛みや歯ぐきの腫れが出ても、以前にもらった抗菌薬(抗生物質)は、おうちの判断で飲ませないでください。抗菌薬を正しく使わないと、薬が効きにくくなる「薬剤耐性(AMR)」につながります2。


子ども用の市販の鎮痛薬を使うか迷う場合も含め、まずは歯科医院へ連絡して指示を仰ぐようにしてください。


乳歯と生えたばかりの永久歯で、黒い点への向き合い方はどう違う?


乳歯であっても生え替わりまで待てばよいとは限らず、生えたての永久歯は特にむし歯が進みやすいため、どちらも早めの確認が望まれます。それぞれの歯の性質に合わせた考え方を解説いたします。


乳歯の黒い点:「いずれ抜けるから」と待たないほうがよい理由


乳歯は永久歯に比べて白くやわらかい性質があり、外側のエナメル質も薄いため、むし歯になると神経まで早く進行します。むし歯が深く進むと処置の負担が増えるだけでなく、根の先に炎症が起きれば、その下で育っている永久歯の質や生え替わりの時期、歯並びが影響を受けることもあります。


一方で、もうすぐ抜ける時期の乳歯であれば、削らずに進行を抑えながら経過を見る選択をする場合もあります。生え替わりの時期も含めて歯科医院で判断いたします。


6歳ごろに生える永久歯の奥歯は溝が深く、生えたては特に注意


小学校に入る6歳前後に、乳歯のさらに奥から生えてくる永久歯(第一大臼歯)は、噛む面の溝が深く複雑な形をしています。生えきるまで時間がかかり、しばらく歯ぐきが一部かぶさった状態が続くため、歯ブラシの毛先が届きにくく汚れが残りやすい場所です。


また、生えたばかりの永久歯は表面がまだかたまりきっておらず、酸に弱い状態です。乳歯か永久歯か迷うときは「前から数えて何番目の歯か(ふつうは前歯から6番目が第一大臼歯)」をメモしてご相談ください。ごく初期の白くにごった段階なら、フッ素塗布などで様子を見る方法も選べます。


3歳ごろの歯が広い範囲で黒っぽいときに考えられること


3歳ごろのお子様で、前歯や複数の歯が広い範囲で黒や茶色に見える場合は、むし歯が広がっているケースのほか、ブラックステインが付着している可能性も考えられます1。また、転んで歯をぶつけた後に、しばらく経ってから歯が暗く変色することもあります。


ごきょうだいで同じような黒い点が見られる場合も、お口の中の環境や生活習慣が関わっていることがあるため、一緒に確認を受けておくとケアの方向性が整理しやすくなります。


ポイント

乳歯はむし歯が早く進みやすく、6歳ごろに生える大人の奥歯は溝が深くなっています。どちらの歯か迷うときも、早めにみてもらうことがお子様の歯を守る助けになります。


受診までの間、家庭ではどう過ごし、歯科では何を伝えればよい?


受診までの間は、黒い部分を削る・強くこするなどの自己処置を避けて普段通りに磨き、気づいた変化をメモして歯科医院へお伝えください。家庭での過ごし方と診察の流れをご案内いたします。


強くこする・つまようじで取るのは避けたい理由と、受診までの磨き方


黒い点を落とそうとして硬い歯ブラシで強くこすったり、研磨剤が多く入った大人用の歯磨き粉を使ったりすると、やわらかい乳歯や生えたての永久歯の表面を傷つけるおそれがあります。つまようじや爪などの尖ったものでつつくと、初期むし歯の薄い表面が崩れて穴が開く原因にもなります。


受診までは、お子様の年齢に合ったフッ素入り歯磨き粉を使い、普段通りの優しい力で仕上げ磨きを続けてください。ダラダラ食べや甘い飲み物の回数を控え、お口の中が休まる時間を作ることも進行予防につながります。


歯科へ伝えると診察に役立つ観察メモ:いつ・どこ・どう変わったか


受診時に次の項目をメモして伝えていただくと、診断や今後の方針を立てる手がかりになります。


  • 気づいた時期と場所:いつ見つけたか、上下左右のどこか、前から何番目の歯か
  • 見た目の形と変化:点・線・帯状のどれか、見つけたときより広がっているか
  • お子様の様子:冷たいものや甘いものを嫌がるか、噛みにくそうにしていないか
  • これまでの経緯:最近の歯科健診の結果、過去にその歯をぶつけた経験の有無
  • 写真の記録:可能であれば、明るい場所でスマートフォンで撮影したお口の写真

歯科ではどう調べる?診察の流れとお子様への負担


歯科医院では、まずお口の中をライトで照らし、必要に応じて歯の表面に風を当てて乾かし、白濁や黒ずみの状態を観察します。先端の丸い器具などで表面の硬さや溝の引っかかりを確認し、歯と歯の間や根の状態を調べる必要がある場合はレントゲン撮影を行います。


ブラックステインなどの着色や歯石であれば、専用機器でのクリーニング(PMTC)や歯石除去、磨き方の確認を行います。なお、見た目をよくするためだけに自由診療のクリーニングなどを選ぶ場合は、公的医療保険が使えません。一般的な費用の相場は数千〜1万円程度です(一般的な相場であり当院の費用ではありません。実際の費用は医療機関により異なります)。


クリーニング中にしみる、痛いなど気になることがあれば、その場で遠慮なく伝えてください。むし歯の場合は進行度(C0〜C3など)に応じ、フッ素塗布や溝を埋めるシーラント、削って詰める処置などから、保護者の方へ説明し納得いただいたうえで進め方を選びます。


歯科を怖がるお子様への声かけと、当院へご相談いただくときの配慮


以前の受診で泣いてしまったお子様には、「何もしないよ」「痛くないよ」と約束しないほうがよいでしょう。「バイキンがいないか鏡で見てもらおうね」「歯の数を数えてもらおう」と、実際に行うことを具体的に伝えるほうが受け入れやすくなります。予約時や受付で、歯科が苦手であることを遠慮なくお伝えください。


小さなお子様の受診では、むりに処置を進めず、まず保護者の方から日ごろの様子をうかがい、お子様のペースで鏡や器具に慣れる練習から少しずつ進めるのが一般的です。当院では、治療の前に内容をわかりやすく説明し、納得していただいてから進めています。ベビーカーと一緒に入れる診療室やキッズスペース、完全個室の診療室もありますので、下のお子様連れでもご相談ください。


持ち物は、保険証(マイナ保険証)、母子手帳、子どもの医療費の助成で使う券などです。いるものは住んでいる市区町村や受診先に、前もって確かめておきましょう。


よくある質問


Q. 歯科医院で「歯が黒いけれどむし歯ではない」と言われた場合、その後はどうすればよいですか?


むし歯ではなく着色汚れやブラックステイン、あるいは進行が止まっている初期の変化と判断された場合は、削らずに経過を見ることが一般的です。ただし、着色の周りに汚れがたまると新たにむし歯ができることはあるため、毎日の仕上げ磨きを続けながら、3〜4か月ごとの定期検診で変化がないか見守っていくことをお勧めいたします。


Q. ブラックステインは一度クリーニングで落としても、またすぐにつきますか?


ブラックステインは色素を作る細菌が関わる着色で、歯の表面に強くつくため、歯科医院のクリーニングで落としても、また付着することがあります。成長とともにお口の中の環境が変わり、つきにくくなることもあります。毎日の仕上げ磨きと定期的な確認を続けると、変化に早めに気づきやすくなります。


Q. 子どものむし歯予防で行うシーラントやフッ素塗布には、費用はどのくらいかかりますか?


生えたての奥歯の溝をうめるシーラントや、むし歯になりやすい歯へのフッ素塗布は、条件にあえば健康保険が使え、市区町村の子どもの医療費の助成を受けられることもあります。一方、予防だけを目的に保険の外で受けるときの一般的な相場は、1回あたり数千円ほどです(一般的な相場であり当院の費用ではありません。実際の費用は医療機関により異なります)。助成の条件や窓口で払うお金は、市区町村や処置の内容によって変わるため、受診の前に確かめておきましょう。


参考文献


1. Chen Y, Dou G, Wang D et al. Comparative Microbial Profiles of Caries and Black Extrinsic Tooth Stain in Primary Dentition. Caries research. 2021. PMID: 34247164 / DOI: 10.1159/000517006

2. 薬剤耐性(AMR)対策|厚生労働省. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120172.html


澤井 健司郎

歯科医師


京橋オレンジ歯科クリニック

院長

澤井 健司郎

▶ 監修者プロフィール

経歴
2014年 大阪歯科大学卒業
2015年 大阪歯科大学附属病院にて臨床研修終了
2016年 大阪歯科大学大学院 歯学研究科入学
2020年 大阪歯科大学大学院 歯学研究科卒業
歯科保存学専攻学位取得
2020年 大阪歯科大学附属病院にて勤務
2021年 大阪府一般歯科勤務 大阪府地域医療に尽力
2023年 京橋オレンジ歯科クリニック 院長就任
資格・所属学会
日本歯科保存学会
日本口腔インプラント学会
日本歯周病学会
日本矯正歯科学会