当院では、歯科医院にて歯科医師が診察し、ホワイトニング剤と専用のマウスピースを処方する「ホームホワイトニング」を行っています。
近年は、ネットの通販サイトや個人輸入などで入手した市販のホワイトニングアイテムを使い、ご自身でセルフホワイトニングを行う方も増えてきました。
歯科医院で歯科医師が診察・処方するプロのホワイトニング、市販のホワイトニングアイテムでご自身が行うセルフホワイトニング、両者にはどんな違いがあるのでしょうか?「安全性は?」「セルフホワイトニングで本当に歯は白くなるの?」と、気になる方も多いかと思います。
気になる方も多いホワイトニング。今回は、そんな方のために、歯科医院のプロのホワイトニングとご自身で行うセルフホワイトニングを比べてみました。ホワイトニングで歯を白くしたい方は、ぜひ、記事をご参考になさってください。
目次
■歯科医院のホワイトニングとセルフホワイトニングの違い
◎歯科医院のホワイトニングは過酸化物を用い、歯を内側から根本的に白くします
歯科医院のホワイトニング(ホームホワイトニング、オフィスホワイトニング)と市販のホワイトニングアイテムを使ってご自身で行うセルフホワイトニングには、大きな違いがあります。
いちばんの違いは、歯科医院のホワイトニングでは、過酸化水素や過酸化尿素などの過酸化物を含んだホワイトニング剤を歯に塗り、歯を内側から根本的に白くする点です。
過酸化水素や過酸化尿素などの過酸化物は、歯に浸透した着色汚れ(ステイン)を内側から漂白・分解して歯を白くする作用があります。着色汚れを漂白・分解する作用に加え、過酸化物には歯のエナメル質の結晶構造を変化させ、光を乱反射させることで歯の黄ばみを隠す(マスキング)効果も。
上記の「歯を内側から白くする」「結晶構造を変化させて歯の黄ばみをマスキングする」効果により、歯科医院のオフィスホワイトニングではセレブ・芸能人レベルの輝くような歯の白さにアプローチできます。なお、あまり白くなり過ぎないのが良い方は、よりマイルドな過酸化尿素を含んだホワイトニング剤を用いる歯科医院のホームホワイトニングを受けることで、自然な白さの歯を演出しやすくなります。
◎セルフホワイトニングは「歯の汚れ落とし」に留まります
日本国内で売られている市販のホワイトニングアイテムは、法律により、過酸化物の使用が認められていません。このため、日本のホワイトニングアイテムは、主に貝殻パウダーやパパイン酵素など、歯についた汚れを落としやすくする成分で構成されています。
上記の理由により、日本国内の市販のホワイトニングアイテムを使ってご自身で行うセルフホワイトニングは「歯の汚れ落とし(歯のクリーニング効果を高める)」に留まります。単なる汚れ落としのため、セルフホワイトニングでは、過酸化物を用いる歯科医院のプロのホワイトニングのように、歯を内側から白くすることはできません。
{街中にある、医療機関ではないセルフホワイトニングサロンも「歯の汚れ落とし」に留まります}
近年、医療機関ではない、ご自身でホワイトニングを行うセルフホワイトニングサロンが増えています。
医療機関ではないセルフホワイトニングサロンも、ご自宅で行うセルフホワイトニングと仕組みは同じです。汚れを落としやすくする成分を歯に塗り、汚れを浮き上がらせて、歯をクリーニングすることで白い歯にアプローチします。
街中にあるセルフホワイトニングサロンは“サロン”という名称から、歯科医院と同様の白さを得られると勘違いされやすいです。サロンによっては、“光を当てて歯を白くする”などのPRも見られます。しかし、過酸化物を用いることができないセルフホワイトニングサロンでは、歯科医院と同様の「歯を内側から白くする」効果は得られません。
■歯科医院のホワイトニングとセルフホワイトニングの安全性の違い
◎歯科医院のホワイトニングでは、歯科医師・歯科衛生士がアフターケアを行います
歯科医院のホワイトニング(ホームホワイトニング、オフィスホワイトニング)では、歯科医師による診察・処方・施術を実施すると共に、歯科医師・歯科衛生士がアフターケアを行います。
国家資格を持つ歯科医師・歯科衛生士により、ホワイトニング後、歯・歯周組織にトラブルが起きた場合も、迅速に対応しやすい点が歯科医院のホワイトニングのメリットです。
◎セルフホワイトニングは自己責任のため、安全性の面では疑問点も
市販のホワイトニングアイテムを使うセルフホワイトニングは、歯科医師・歯科衛生士によるサポートはありません。すべての行為は、セルフホワイトニングを行う方の自己責任になります。
{海外のホワイトニングアイテムには注意が必要}
日本国内で市販されているホワイトニングアイテムには、過酸化物は含まれていません。しかし、アメリカなどの海外の市販のホワイトニングアイテムには過酸化物を含む物も。
近年、ネット上のSNS情報によると、通販や個人輸入などで、過酸化物が含まれた海外のホワイトニングアイテムを使ってセルフホワイトニングを行う方も見受けられます。中には、過酸化物が含まれた海外のホワイトニングアイテムが原因で「歯が溶けてしまった」などの重大なトラブルの報告も。
海外のホワイトニングアイテムのみならず、日本のホワイトニングアイテムにおいても、「研磨剤によって、歯のエナメル質が削られた」などのトラブルが起きていることがSNSで報告されています。
日本のホワイトニングアイテム、過酸化物が含まれた海外のホワイトニングアイテム、どちらも、用法・用量を守って正しく使うことが重要です。もし、セルフホワイトニングでお口にトラブルが起きた場合は、歯科医院にて早急に診察を受けてください。
【歯を内側から根本的に白くしたい方、安全性を高めたホワイトニングをご希望の方は歯科医院のホワイトニングをオススメします】
歯科医院のホワイトニングとセルフホワイトニングの違いをご紹介させていただきました。
ホワイトニング、という名称から、どちらも歯を白くすると思われがちです。しかし、過酸化物を用いて歯を内側から根本的に白くする歯科医院のホワイトニングと異なり、セルフホワイトニングは歯の汚れ落としに留まります。また、ご自身で行うセルフホワイトニングにおいては、すべての行為は自己責任となるため、安全性の面では疑問点も。
歯を内側から根本的に白くしたい方、安全性を高めたホワイトニングをご希望の方は、歯科医院で診察・処方・施術、および、アフターケアを行う、プロのホワイトニングを選ぶことをオススメします。