「学校の歯科検診でむし歯があると言われた」
「歯科検診で歯並びの乱れを指摘された」
保育園・幼稚園、小学校・中学校の歯科検診でお子さまがむし歯・歯並びの乱れを指摘されたご経験がある方もいらっしゃるかと思います。
歯科検診でお口の異常を指摘されたとき、保護者様によっては「どうすればイイの?」「今すぐ、治さなければダメなの?」とご不安になってしまうことも。
歯科検診でお子さまがむし歯・歯並びの乱れを指摘された場合は、まずは、歯科医院で診察を受けることをおすすめします。
歯科医院で診察を受けることで、むし歯の進行段階に合わせたむし歯治療、および、歯並びの乱れ方に適した歯科矯正を進めやすくなります。
目次
■子どものむし歯は注意が必要
◎歯が未成熟でやわらかいため、子どもはむし歯にかかりやすく進行が早いです
歯科検診でお子さまがむし歯があると指摘された場合、保護者様の中には「乳歯だし、生え変わるから放っておいても大丈夫でしょ」とむし歯を放置してしまう方がいらっしゃいます。しかし、これは大きな間違いです。
子どもの乳歯、および、生え変わったばかりの永久歯は歯質が未成熟でやわらかいです。未成熟でやわらかいため子どもの歯はむし歯にかかりやすく、一たびむし歯にかかると大人よりも早くむし歯が進行します。
「乳歯だし、そのうち生え変わるから大丈夫」または「痛くなってから歯医者に行けばOK」と、乳歯や生え変わったばかり永久歯のむし歯を放置していると、あっという間にむし歯が歯の神経に達し、神経の治療や抜歯が必要になることも。
◎むし歯は早期発見・早期治療が大切です
歯科検診でお子さまがむし歯を指摘されたときは、できるだけ早めに歯科医院で診察を受けましょう。
むし歯は早期発見・早期治療が大切です。
歯科医院で診察を受けることで、むし歯をはじめとするお口の病気や異常を発見しやすくなり、早期治療につながります。
■歯科検診でお子さまが歯並びの乱れを指摘された場合は?
◎5~9歳頃までに小児矯正(Ⅰ期治療=床矯正:咬合誘導)を行うことで、歯並びを乱れさせる原因を根本的に改善しやすくなります
歯科検診でお子さまが歯並びの乱れを指摘された場合は、お口の状態によっては歯科矯正が必要になることがあります。
特に、10歳になる前の小さなお子さま(※)に歯並びの乱れ・顎の骨の成長異常が見られるケースでは、早い段階で歯科医院を受診することで咬合誘導(こうごうゆうどう)による治療を行える可能性があります。
(※)お子さまやお口の状態により、Ⅰ期治療を行える期間が異なります。
咬合誘導とは、取り外し式の拡大装置を用いて顎の骨を適切に広げたり(床矯正)、お口の筋肉トレーニング(MFT:)を行う小児矯正(Ⅰ期治療)です。咬合誘導では、お子さまの顎の骨の健全な成長をうながすと共に、正しいお口の使い方を身につけることを目指します。
5~9歳頃に行う咬合誘導により、お子さまの顎の骨の健全な成長をうながすことができ、舌癖や指しゃぶり、口呼吸など、歯並びを乱れさせる原因を根本的に改善しやすくなります。
◎10~12歳以上のお子さまには、小児矯正のⅡ期治療で歯並びを整えていきます
小児矯正の咬合誘導は、永久歯の犬歯が生えて顎の骨格が固まり始める9歳頃が上限年齢です。9~10歳以上になり、永久歯の犬歯が生えて顎の骨格が固まり始めると、咬合誘導が難しくなります。
10歳以上で咬合誘導が難しいお子さまには、小児矯正のⅡ期治療で歯並びを整えていきます。Ⅱ期治療はワイヤー装置やマウスピースを用いて歯を動かす、通常の矯正治療です。
Ⅱ期治療においては、お子さまの顎の成長が見られるときはいったん矯正を休止する場合もあります。矯正を休止する理由は、成長期で顎の骨格が変化する時期に歯科矯正を行うと、顎の成長によって整えた歯並びがずれてしまうことがあるためです。
上記の理由により、お子さまに顎の成長が見られるときはいったん矯正を休止する場合があります。休止後は時期を見計らって歯科医院にご来院いただき、診察にて顎の成長が落ち着いたことを確認できましたら、矯正を再開可能です。顎の状態によっては、矯正の再開までに数年以上の休止期間が必要になるケースもあります。
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小児矯正の内容、および、当院で行っているⅠ期・Ⅱ期治療については、ブログにて詳しくご説明しています。併せてご参照ください。
【歯科検診でお子さまがむし歯・歯並びの乱れを指摘されたときは、お早めにご相談ください】
当院では、歯ぐきに塗る麻酔や極細の注射針による、できるだけ痛みを抑えたむし歯治療を行っています。診察の際に歯科医師やスタッフがお子さまを叱ったり、イライラした態度を見せることはありません。どうぞご安心してご来院ください。
むし歯は初期段階であれば、歯を削らずに済む場合もあります。
むし歯をはじめ、お口の病気は早期発見・早期治療が大切です。早い段階で治療を始められれば、むし歯が重度に進行するリスクを低減できます。
歯科矯正においても、歯科検診でお子さまが歯並びの乱れを指摘されたからと言って、今すぐに矯正(装置を用いて歯を動かす歯科矯正)を始めなければならない、というケースはさほど多くありません。
歯並びの乱れや顎の成長異常が比較的軽い場合、および、お子さまが9歳以下(※1)であれば、Ⅰ期治療の咬合誘導によるお口の筋肉トレーニング(MFT)で歯並びの乱れや顎の成長異常を改善できる可能性があります(※2)。
(※1)お子さまやお口の状態により、Ⅰ期治療を行える期間が異なります。
(※2)お子さまや歯並びの乱れ方によっては、床矯正、および、
通常の矯正(ワイヤー矯正、マウスピース矯正)が必要になる
ことがあります。顎の骨格に異常がある場合は口腔外科・形成
外科での外科的矯正が必要になるケースもあります。
歯科検診でお子さまがむし歯・歯並びの乱れを指摘されたときは、当院までお早めにご相談ください。
診察では歯科医師がお子さまの歯・顎の状態を確認し、お1人お1人に合った治療方法をご提案させていただきます。