親知らずとは、真ん中の前歯から数えて8番目の奥歯です。人の歯の中でいちばん後ろに位置する歯が親知らずになります。
親知らずに関しては、以前、当院のブログにて「抜くことをおすすめする親知らず 抜かなくても大きな問題が起きないこともある親知らず」のお話をさせていただきました。
一般的には、20歳前後で親知らずが生えてくることが多いです。しかし、人によっては親知らずが生えてこなかったり、親知らずそのものが存在しないケースも。
今回は、「親知らずがない理由」について、深堀りしてみましょう。
目次
■親知らずが生えてこないのは、なぜ?
◎「歯ぐきの中に親知らずがある」、または、「親知らずそのもが存在しない」どちらかの原因が考えられます
親知らずがない場合は、主に、以下の2つの原因が考えられます。
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歯ぐきの中に親知らずがある(歯ぐきの中に埋まっていて見えない)
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親知らずそのものが存在しない(歯の芽である歯胚(しはい)そのものがない)
■親知らずが生えてこない人の特徴は?
◎顎が小さい方は、親知らずが正常に生えてこないケースが少なからず見られます
顎が小さい方は、顎のスペース不足により親知らずが曲がって生えてきたり、歯ぐきの中に親知らずの一部orすべてが埋まっている(完全埋伏)ケースが少なからず見られます。
特に、近年では小さい頃の悪い癖(口呼吸、舌癖など)の影響により顎の骨格が健全に育たず、顎が小さいまま成長する方が多いです。顎が小さく、いわゆる「アデノイド顔貌(口ゴボ)」の方は、親知らずが正常に生えてこないケースが少なくありません。
◎遺伝、食生活の変化(栄養不足)などが親知らずそのものが存在しない原因と考えられています
親知らずが正常に生えてこないケースのほか、歯の芽となる歯胚がなく、親知らずそのものが存在しない場合も。
親知らずそのものが存在しない理由は、よくわかっていません。よくわかっていませんが、遺伝、食生活の変化(栄養不足)などが親知らずそのものが存在しない原因と考えられています。
■親知らずが生えてこない人の確率(割合)は?
◎1本以上、親知らずが生えてこない人の確率は10~20%前後という調査結果があります
2004年頃と少し古いデータですが、日本人全体では、1本以上、親知らずが生えてこない人の確率は10~20%前後という調査結果があります(※)。
(※)愛知学院大学歯学部「日本人第3大臼歯欠如
頻度の時代変化」(2004)より引用。
■栄養摂取が親知らずの歯胚の有無に関係していると考えられています
◎昔は栄養不足が原因で親知らずが生えてこない人が少なくありませんでした
大昔の縄文時代~鎌倉時代、近代では昭和の戦後など、昔は栄養不足が原因で親知らずが生えてこない人が少なからず存在したことが、調査によって明らかになっています(※)。
(※)愛知学院大学歯学部「日本人第3大臼歯欠如
頻度の時代変化」(2004)より引用。
栄養が不足しがちだった昔と比べて、現在は日本も豊かになり栄養不足による親知らずの欠如は減ってきています。
貧しかった戦後の時代と比べれば豊かになったと言われる日本ですが、現在では、経済的・家庭的な問題などにより、子どもに満足な栄養を与えられないケースも少なくありません。
子どもの頃(親知らずの歯胚形成期は3歳半~4歳頃)にカルシウムやリン、ビタミンなどの栄養が不足すると親知らずを含む歯の歯胚の形成に悪影響を与えるおそれがあります。
歯胚の形成に悪影響がおよぶと親知らずそのものが生えてこなかったり、永久歯のエナメル質形成不全の原因にもなり得るため、乳幼児期(0~5歳頃)の栄養不足には注意が必要です。
乳幼児期の栄養摂取に加え、胎児としてお母さんのお腹の中にいるときもお母さんの栄養不足が胎児の歯胚の形成に悪影響をおよぼすことも。
妊娠中&乳幼児期はカルシウムやリン、たんぱく質、ビタミン(A、C、D)など、歯胚の形成に関係する栄養素を積極的に摂りましょう。
【親知らずでお悩みの方はお気軽にご相談ください】
京橋オレンジ歯科クリニックでは親知らずの抜歯を行っています。歯ぐきの切開が必要な難抜歯にも対応可能です。
「親知らずが生えてこない」
「親知らずが埋まっていて、前の歯を押している」
「親知らずのむし歯をくり返している」
など、親知らずでお悩みの方はお気軽にご相談ください。