むし歯になりやすい人・むし歯になりにくい人の違い 体質・遺伝がむし歯と関係しているの?|大阪京橋駅の歯医者|京橋オレンジ歯科クリニック

〒534-0024 大阪府大阪市都島区東野田町1-21-11

トピックス TOPICS

むし歯になりやすい人・むし歯になりにくい人の違い 体質・遺伝がむし歯と関係しているの?


「歯を磨いているのに、むし歯になることが多い… なぜ?」

「体質・遺伝がむし歯と関係しているの? むし歯と唾液の質・量の関係は?」


むし歯予防の基本は、ご自身で行う毎日の歯磨き+歯間清掃。


正しい方法で毎日、毎食後&就寝前にきちんと歯を磨き、歯間清掃を行うことで、むし歯予防の効率性を高められます。


毎日のセルフケアが予防の基本ですが、歯を磨く・歯を磨かないに関わらず、むし歯には「なりやすい人・なりにくい人」の違いも。


今回は、「むし歯になりやすい人・むし歯になりにくい人」のお話です。


■むし歯になりやすい人 体質・遺伝(唾液の量・唾液の質など)が関係しているの?


◎糖分の摂取量の多さをはじめとして、その方の体質・遺伝もむし歯のなりやすさ・なりにくさに関係しています

気になる方も多い、「むし歯になりやすい人・むし歯になりにくい人」の違い。


まず、お伝えしたいのが、日常的に、砂糖などの糖分が含まれる飲食物を摂取(歯にふれる形で、お口から飲食する)している方はむし歯になりやすいです。


糖分の摂取量の多さをはじめとして、その方の体質・遺伝など、以下のような原因・因子もむし歯のなりやすさ・なりにくさに関係しています。


①砂糖・液糖・果糖など、糖分の摂取量が多い

砂糖・液糖をたっぷり含んだジュース・炭酸飲料・スイーツ…


糖分を含む甘い物は、血糖値の上昇により、脳がダイレクトに「美味しい!」と感じやすいです(疲れたときの甘い物は、特に美味しく感じますよね)。そのため、糖分を含む甘い物を日常的に飲んだり食べるなど、甘い物が好きな方も少なくありません。


好きな方も多い甘い物ですが、糖分を含む甘い物は取り過ぎないように注意が必要です。


{糖分の摂取量とむし歯のなりやすさ・なりにくさの深い関係}


むし歯菌は飲食物に含まれる糖分(砂糖・液糖・果糖など)をエネルギー源にして活動しています。


  • 砂糖・液糖を含む、甘いお菓子・アイス・炭酸飲料などの清涼飲料水

  • 果糖を含む、果汁入りジュース(100%果汁のジュースを含む)

  • 砂糖・液糖を含む、甘い調味料(ソース・ケチャップ・照り焼きソース・ドレッシング・めんつゆなど、市販の調味料の大半)


など、糖分の摂取量が多い方は、糖分によってむし歯菌が活発化してしまい、むし歯になりやすいです。


②あまり歯を磨かない・誤ったブラッシング方法で歯を磨いている

  • あまり歯を磨かない方

  • 誤ったブラッシング方法で歯を磨いている方


は、歯の表面に歯垢・食べかすが残りやすいです。歯についた歯垢・食べかすによってむし歯菌が増殖してしまい、むし歯にかかりやすくなります。


③酸度が高い飲食物(炭酸飲料・果物など)の摂取量が多い

糖分の摂取量のほか、飲食物に含まれる「酸度」にも注意が必要になります。


  • 炭酸飲料(糖分の有無に関わらず、炭酸の飲み物(糖分ゼロの炭酸飲料を含む))

  • レモン・オレンジ・みかんなどの酸度が高い果物


上記のような飲食物は酸度が高く、歯の表面のエナメル質が溶けやすいです(=飲食物に含まれる酸による脱灰(だっかい)現象)。


飲食物に含まれる酸によって歯のエナメル質が溶けると、


  • 飲食物に含まれる酸によって歯のエナメル質が溶ける

  • 歯のエナメル質が溶けて凹んだ部分のエナメル質が、むし歯菌が出す酸によってさらに溶ける(むし歯菌が出す酸による脱灰現象)


上記のような飲食物の酸+むし歯菌が出す酸の“悪い相乗効果”が生じやすくなり、むし歯を発症・進行するリスクが高まります。


④口が乾きやすい(口腔乾燥症など)

  • ストレス

  • 糖尿病

  • 薬の副作用


などの因子がある方は、口が乾きやすい傾向が見られます(上記が原因の口腔乾燥症(ドライマウス)を含む)。


口が乾きやすい方は、唾液の分泌が低下して唾液による口腔内の自浄作用が薄れてしまい、むし歯・歯周病の進行リスクが高まります。


⑤歯並びが乱れている

歯並びが乱れている方は、歯の傾き・歯のねじれ・歯の重なりなどによって、歯の隅々まで歯ブラシを行き届かせにくいです。


歯の隅々まで歯ブラシを行き届かせにくいため、歯並びが乱れている方は歯垢・食べかすなどの磨き残しが出やすくなります。歯垢・食べかすなどの磨き残しが増えることにより、口腔内でむし歯菌・歯周病菌が増殖しやすくなるのです。


上記の理由により、歯並びが乱れているむし歯・歯周病を発症・進行しやすい傾向が見られます。


⑥体質・遺伝(歯の形、歯のエナメル質の厚さ、唾液の量・唾液の質など)

歯の形


  • 噛み合わせ面の溝が通常よりも深い

  • 噛み合わせ面の凸凹具合が通常よりも大きい


歯の形に上記のような因子(特徴)があると、むし歯になりやすい傾向が見られます。


歯のエナメル質の厚さ


歯のエナメル質が薄い方は、歯の表面(エナメル質の表面)から、その内部の象牙質までの距離があまりないため、むし歯が重度に進行しやすい傾向が見られます。


唾液の量・唾液の質


一般的に、歯科医療においては、「唾液の量・質はむし歯と深く関係している」と考えられています。


  • 唾液の量(唾液の分泌が多いor少ない)

  • 唾液の質(口腔内の酸(酸性)を中和する(アルカリ性に近づける)能力:唾液緩衝能(だえきかんしょうのう))


により、むし歯のなりやすさに違いが生じることも。


唾液の分泌が多い方・唾液緩衝能が高い方と比べて、


  • 唾液の分泌が少ない

  • 唾液緩衝能が低い


方はむし歯になりやすい傾向が見られます。


むし歯菌が繁殖しやすい口内環境(むし歯菌に弱い口腔内の細菌叢)


  • 生まれつき・遺伝的にむし歯菌に弱い口腔内の細菌叢(さいきんそう)を持っている


(※)細菌叢(さいきんそう):悪玉菌(むし歯菌・歯周病菌など)や善玉菌(乳酸菌(歯に良い作用をもたらす種類の乳酸菌)など)で構成される細菌の集団のこと。


上記のような因子を持つ方は口腔内でむし歯菌が繁殖しやすく、むし歯になりやすい傾向が見られます。


■むし歯になりにくい人


上記でお伝えした原因・因子と反対の原因・因子を持つ方は、むし歯になりにくい傾向が見られます。


[むし歯になりにくい人]


  • 砂糖・液糖・果糖など、日常生活における糖分の摂取量が少ない

  • 適切なブラッシング方法で毎日、毎食後&就寝前にしっかり歯を磨いている+歯間清掃を行っている

  • 酸度が高い飲食物の摂取量が少ない

  • 歯並びが乱れておらずor歯並びの乱れが小さく、適切なブラッシング方法でしっかり歯を磨いている+歯間清掃を行っている

  • 唾液の分泌が多い

  • 唾液緩衝能が高い

  • むし歯菌が繁殖しにくい口内環境を持っている


  • 生まれつき・遺伝的にむし歯菌に強い口腔内の細菌叢(さいきんそう)を持っている

  • 生まれたとき~3歳頃までの期間、子どもへの唾液感染の防止の取り組みを行い、むし歯菌が繁殖しにくい口腔内の細菌叢を獲得した(回し食べ・回し飲みを控える、食器を共有しないなど、保護者様によるお子様への「むし歯になりにくい口腔内の環境」を得るための取り組み・努力)


  • 毎日の歯磨き+歯間清掃(セルフケア)に加え、歯科医院で定期的に検診(定期検診)を受けている


【糖分の摂取をできるだけ減らし、セルフケア&歯科医院の定期検診でむし歯の進行を抑えましょう】


今回は、「むし歯になりやすい人・むし歯になりにくい人」の違いのお話をさせていただきました。


今回お伝えしたように、むし歯のなりやすさは様々な因子が関係しています。様々な因子が関係していますが、むし歯を防ぐために大切なポイントは、主に以下の3つです。


[むし歯を防ぐために大切な3つのポイント]


  1. 砂糖・液糖・果糖など、糖分の摂取をできるだけ減らす

  2. 適切なブラッシング方法で行う毎日の歯磨き+歯間清掃(セルフケア)を継続する

  3. 歯科医院で定期検診を受ける(プロケア)


むし歯から歯を守るためには、日頃の生活で、砂糖・液糖・果糖などの糖分の摂取をできるだけ減らすことが重要です。


WHO(世界保健機関)のガイドラインでは、むし歯・肥満を防ぐための「1日の砂糖の摂取の上限量」を以下のように定めています(※)。


[WHOが推奨している、1日の砂糖の摂取の上限量]


  • 18歳未満の未成年者・児童:15~20g以下

  • 18歳以上の成人:25g以下


(※)WHO「成人及び児童の糖類摂取量」(2015年)より引用。


甘い物をすべてやめることが難しい場合は、いきなり、すべての甘い物をやめなくてもOKです。まずは、1日の砂糖の摂取量を上記の上限量以内に収められるよう、チャレンジしてみてください。


市販の飲食物の成分表をチェックし、お子様に与える砂糖の量・ご自身で摂取する砂糖の量を制限することが重要になります。


くり返しますが、歯にとっては、糖分を含む飲食物はむし歯の大きな原因です(歯の大敵=糖分)。


糖分の摂取をできるだけ減らすと共に、毎日のセルフケア&歯科医院の定期検診でむし歯の進行を抑えましょう。


京橋オレンジ歯科クリニック
歯科医師

⇒院長の経歴はこちら