「矯正は長い治療期間がかかるんだよね？」

「部分矯正は短い期間で済むのかな？」

矯正をご検討中、矯正期間がどれくらいかかるのか知りたい、という方も多いのではないでしょうか。

今回は「矯正の治療期間」についてご説明します。

矯正の治療期間

矯正は長い治療期間がかかります。

全体矯正では1～3年程度の治療期間が必要です。ただし、前歯のみなど、軽度の歯並びの乱れであれば部分矯正により3ヶ月～1年程度で治せる場合もあります。

［矯正の治療期間］

・全体矯正
1～3年程度（マウスピース矯正は1年半～3年程度）

・部分矯正
3ヶ月～1年程度

＜ワイヤー矯正は歯を動かす力が強く、「歯体移動」ができる＞

ワイヤー矯正はワイヤーで歯を締めて強い力をかけられるため、歯根ごと歯を平行移動できます。歯根ごと歯を動かすことを「歯体移動（したいいどう）」と呼びます。

ワイヤー矯正では歯体移動および傾斜移動で歯を動かし、歯並びを整えていきます。

＜マウスピース矯正は歯を動かす力がマイルド、「傾斜移動」が中心＞

マウスピース矯正はやわらかいマウスピースを使って歯を動かします。ワイヤー矯正と比べ、マウスピース矯正は歯を動かす力がマイルドです。

マウスピース矯正では歯根はあまり動かさず、歯冠（歯ぐきから上の歯の部分）を傾けて歯並びを整えます。これを「傾斜移動（けいしゃいどう）」と呼びます。

マウスピース矯正では傾斜移動を中心に歯を動かし、歯並びを整えていきます。

｛元々、傾いている歯並びをマウスピース矯正でまっすぐにしていきます｝

マウスピース矯正は歯冠を傾ける傾斜移動で歯並びを整えていきます。こう聞くと「歯を傾けるだけで本当に大丈夫なの？」と不安に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

マウスピース矯正が適しているのは、元々の歯並びが傾いているケースです。傾いている歯並びをマウスピース矯正でまっすぐにしてあげる（垂直に近づける）ことで、歯並びを整えます。

｛インビザラインのアタッチメントで歯にかける力を強める｝

傾斜移動が中心のマウスピース矯正ですが、インビザラインはアタッチメントを用いることで歯体移動を行えるようになります。

アタッチメントとは、インビザラインが開発した独自技術です。

アタッチメントを使ったインビザライン矯正では、歯に白い樹脂製のポッチを着けます。次に、ポッチに合わせてマウスピースに窪みを作ります。マウスピースの窪みにポッチを合わせることでがっちりとマウスピースがはまり、歯を動かす力が強まります。

いくつかのブランドを除き、インビザライン以外のほとんどのマウスピース矯正ブランドはアタッチメント機能を持っていません。アタッチメントはインビザラインの大きな特徴の一つです。

アタッチメントのメリット①「矯正期間の短縮につながる」

アタッチメントを用いることで歯を動かす力が強まり、矯正期間の短縮につながります。

アタッチメントのメリット②「複雑な歯の動きや歯体移動が可能に」

アタッチメントの装着で「挺出」「圧下」「回転」などの複雑な歯の動きが行えるようになります。通常のマウスピース矯正では不可能な歯体移動も可能になります（※）。

・挺出（ていしゅつ）
歯を舌側に引っ張り出すこと

・圧下（あっか）
歯を歯ぐき側に押し下げること

・回転（かいてん）
歯を回転させること

（※）インビザラインのアタッチメントを用いた歯体移動で

動かせる歯の移動距離には限りがあります。

矯正期間に影響を与える要素について

矯正はさまざまな要素によって治療期間が変わります。

①歯並びの乱れ具合

軽度な歯並びの乱れであれば治療期間は数ヶ月～10ヶ月程度で済むことがあります。中程度～重度の歯並びの乱れは1年～3年以上の治療期間が必要になることが多いです。

②矯正以外の歯科治療の有無

むし歯や歯周病がある場合、先にお口の病気を治してから矯正に入ります。矯正を始めた後にむし歯や歯周病が悪化した場合は矯正を中断してお口の病気を行うケースもあります。お口の病気の治療に時間がかかると、全体の治療期間が延びます。

③抜歯や埋伏歯の有無

矯正では歯を動かすスペースを作るため、抜歯を行うことがあります。抜歯が必要な場合は抜歯後の傷口が落ち着くまで一定の期間が必要です。

抜歯の本数によって差はありますが、通常の抜歯であれば抜歯処置に1日～2日＋傷口が落ち着くまで3日間程度かかります。

埋伏歯など、メスによる切開をともなう抜歯の場合は抜歯処置に1日～4日＋傷口が落ち着くまで1週間程度かかることがあります。歯の生え方によっては抜歯せずに埋伏歯を牽引し（歯を引っ張り出す）、埋伏歯を生かして矯正を進めるケースもあります。

④補助処置の有無

IPRやアンカースクリューなどの補助処置が必要な場合、全体の治療期間が延びます。

・IPR（ディスキング）
歯と歯のあいだのエナメル質を最大で0.5mm程度削り、歯を動かすためのスペースを作る処置。

・アンカースクリュー
小型のスクリューを歯槽骨に埋め込み、スクリューを固定源（アンカー）にして歯を牽引する処置。

⑤外科手術の有無

顎の骨格が原因の歯並びの乱れは外科手術が必要になることがあります。外科手術（外科的矯正）は口腔外科や形成外科、美容外科で行います。

外科手術が必要なケースでは最初に歯科医院で歯科矯正を行い歯並びを整えた後、口腔外科などで外科手術を行います。最後に再び歯科医院で仕上げの歯科矯正を行い、治療を終えます。

外科手術を行う場合、全体の治療期間が延びます。

⑥マウスピースの装着時間

インビザラインなどのマウスピース矯正では定められた時間、マウスピースを装着します。インビザラインの場合、マウスピースの1日の装着時間は22時間以上です。

マウスピースの装着時間を守らなかった場合、しっかりと歯を動かせず、治療期間が延びてしまうことがあります。

⑦治療計画の立案ミス

矯正治療を始める前は検査を行い、それぞれの患者様に合った治療計画を立てていきます。

綿密に治療計画を立てなかったり、治療計画そのものにミスがある場合、計画通りに歯が動かずに治療期間が延びてしまうことがあります。

【経験豊富な矯正認定医による矯正治療をご提供いたします】

当院は日本矯正歯科学会の矯正認定医が在籍しております。経験豊富な矯正認定医により、専門性の高い矯正をご提供いたします。

矯正前の検査では以下の精密機器を用い、綿密に治療計画を立案します。

・歯科用CT

・3D口腔内デジタルスキャナー「iTero（アイテロ）」

歯科用CTを用いることで患者様ごとに異なる歯並びや顎の形状、骨密度を詳細なデジタル画像で得られ、精密な治療計画の立案に役立ちます。また、CTを用いたセファロ診断により、歯並びだけではなく、顎を含めたお顔全体を考慮した矯正につながります。

iTeroはお口の中を立体的（3D）に撮影できるデジタルスキャナーです。撮影時間は1分程度、短時間で歯並びや歯、歯槽骨の詳細なデジタルデータを得られます。iTeroのデジタルスキャンによりシリコンや石膏を使った従来の歯型取りを行わずに済み、検査時の肉体的・精神的負担が軽減されます。

谷口歯科クリニック・京橋オレンジ歯科クリニックでは矯正の無料相談を受付中です。歯並びや矯正のクリニック選びでお困りの方はお気軽にご相談ください。カウンセリングでは専門のスタッフが矯正の治療内容や費用について丁寧にご説明させていただきます。