主に、中高年の方においては、進行した歯周病や歯根破折などが原因で、多くの歯を失ってしまうことがあります。
多くの歯を失った場合、歯を補う治療法として一般的なのは保険の総入れ歯。しかし、保険の総入れ歯は安定性が低く、入れ歯がずれる・外れる、噛みにくい、発音しにくいなど、デメリットも多いです。
デメリットも多い、保険の総入れ歯。
保険の総入れ歯の使い心地でお悩みの方には、安定性が高い人工歯ブリッジ「オールオン4(オールオンフォー)」が選択肢として検討できます。
今回は、インプラント式の人工歯ブリッジ「オールオン4」のご紹介です。
目次
■オールオン4とは?
◎4~6本のインプラントで片顎すべての歯をカバーする人工歯ブリッジです
オールオン4とは、4~6本のインプラントで片顎すべての歯をカバーする人工歯ブリッジです。
顎の骨に埋め入れるインプラントの数が4本の場合は「オールオン4」、6本の場合は「オールオン6」と呼びます。
{インプラント+ネジ固定で高い安定性}
顎の骨に埋め入れたインプラントに人工歯ブリッジをネジ固定するため、オールオン4は高い安定性を持ちます。
■オールオン4と総入れ歯の違い
1.オールオン4=固定式の人工歯ブリッジ 総入れ歯=取り外し式の義歯(入れ歯)
オールオン4は固定式の人工歯ブリッジです。顎の骨に埋め入れた4~6本のインプラントに人工歯ブリッジをネジ固定します(インプラント+人工歯ブリッジ)。
総入れ歯は取り外し式の義歯(入れ歯)です。顎と歯ぐきの粘膜のみで総入れ歯を支え、使用します。
2.人工の歯ぐきの形に違いがあります
①オールオン4<は歯列の内側の口蓋部を覆いません
総入れ歯と比べてオールオン4は圧迫感が少なく、飲食物の温度や味を感じやすいです
人工歯ブリッジや義歯(入れ歯)の人工の歯ぐき(ピンク色の部分)を「床(しょう)」と呼びます。
オールオン4は連結した人工歯ブリッジであり、口蓋部(こうがいぶ:歯列の内側の粘膜部分)を覆う床(ピンク色の部分)がありません。
口蓋部を覆う床がないため、総入れ歯と比べて、オールオン4はお口の中が覆われる圧迫感が軽減されます。
圧迫感が軽減されるほか、口蓋部を覆わないことから、総入れ歯と比べて、オールオン4は飲食物の温度や味を感じやすいメリットも。
総入れ歯は圧迫感を感じやすく、飲食物の温度や味を感じにくくなります
総入れ歯は義歯(入れ歯)であり、上顎or下顎の口蓋部を覆う床があります。
総入れ歯に床が存在する理由は、入れ歯の強度と安定性を確保するためです。
口蓋部の床があることから、患者様によっては、総入れ歯は口蓋部に圧迫感を感じることも。
口蓋部の床が粘膜を覆うため、総入れ歯(特に保険の総入れ歯)は飲食物の温度や味を感じにくくなるデメリットがあります。
②オールオン4では、人工の歯ぐきが、噛み合わせの歯ぐきに乗るような形になります
オールオン4では、人工の歯ぐきが噛み合わせの歯ぐきに乗るような形になりますが、総入れ歯のように、歯ぐきの側面の上の方まで覆う構造にはなっていません。
そのため、オールオン4は見た目がスッキリしていて、違和感も少ないのが特徴です。
※人工の歯ぐきがまったくない「ガムなしオールオン4」
という方法もありますが、非常に高度な技術が必要なため、
対応できる症例や歯科医院は限られています。
3.人工の歯ぐき・人工歯の素材を選ぶことも可能
オールオン4は強度が高いジルコニアセラミックや審美性が高いオールセラミックなどの選択肢も
オールオン4は自費診療です。自費診療のため、オールオン4は人工の歯ぐき・人工歯の素材に対し、保険診療のような制限がありません。
歯科用素材の制限がないため、
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強度が高いジルコニアセラミックの人工歯(or人工の歯ぐき)
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審美性が高いオールセラミックの人工歯
など、オールオン4はご希望・お口の状態に合わせて素材を選ぶことも可能です(※)。
(※)クリニックによって用いる・対応している素材が異なります。
保険の総入れ歯はレジンのみで作られています
保険の総入れ歯は、人工の歯ぐき・人工歯どちらもレジンというプラスチック樹脂のみで作られています。国の法律により、保険の総入れ歯にはレジン以外の素材は使えません。
レジンは比較的安価、かつ、そこそこ丈夫なのですが、セラミックと比べるとレジンは強度に劣ります。また、レジンは吸水性が高く、劣化しやすいです。
【オールオン4で安定性が高い人工歯を】
インプラントにネジ固定するため、安定性が高い「オールオン4」。
以下のようなお悩みがある方は、オールオン4が選択肢として挙げられます。
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総入れ歯が合わない、入れ歯をつけていると痛むことがある
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歯がほとんどない
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むし歯や歯周病でダメージを受け、歯がボロボロになっている
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歯周組織の状態が悪く、インプラント治療を断られてしまった
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「顎の骨の骨量が少ない」と言われた
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歯を失った箇所に多くの本数、インプラントを埋め入れるための治療費で悩んでいる
オールオン4・オールオン6をご検討の方は、当院までお気軽にご相談ください。相談費は無料です。
ご来院の際は、インプラントに関してプロフェッショナルな歯科医師が丁寧なカウンセリングを行います。カウンセリングはWEB、または、お電話にてご予約可能です。
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今回は、「オールオン4と総入れ歯の違い」のお話をさせていただきました。
来月のブログでは、「オールオン4の治療の流れ&治療期間」について、ご説明します。