歯科矯正で歯が動くメカニズム|マウスピース矯正(インビザライン)|京橋オレンジ歯科クリニック

歯科矯正で歯が動くメカニズム|マウスピース矯正(インビザライン)|京橋オレンジ歯科クリニック

ブログ BLOG

歯科矯正で歯が動くメカニズム



以前、当院のブログにて「マウスピースでなぜ、矯正できるのか」について、お話をさせていただきました。


ブログをお読みいただいた患者様からは「わかりやすかった」「面白かった」とご好評を頂戴したのですが、ご反響の中には「そもそも、なぜ、歯科矯正で歯を動かせるの?」というお声も多くありました。


そこで今回は、「歯科矯正で歯が動くメカニズム」をご紹介します。


矯正治療にご興味がある方、また、現在、矯正を受けている方にも役立つ内容となっておりますので、ぜひ、記事をご参照ください。


■歯科矯正で歯が動くメカニズム


◎歯根膜から分泌される破骨&造骨細胞の働きを利用し、歯を動かします


歯科矯正のメカニズムには、歯を取り囲む靭帯である「歯根膜(しこんまく)」という組織が大きく関係しています。


歯根膜とは、歯と歯槽骨をつなぐ歯の靭帯です。靭帯としての機能のほか、歯根膜には物を噛んだときの触感や痛みを脳に伝える役割もあります。


ワイヤー矯正、マウスピース矯正などの矯正方法を問わず、歯科矯正(成人矯正・2期矯正)では以下の「歯根膜から分泌された破骨&造骨細胞による歯槽骨の代謝作用」を利用して少しずつ歯を動かし、歯並びを整えます。


①矯正装置で歯に力をかける


歯科矯正ではワイヤー装置やマウスピースを装着し、動かしたい方向に向かって、歯に力をかけます。


②力をかけた方向の歯根膜が圧迫され、歯根膜内の血管から骨を溶かす破骨細胞が分泌される


矯正装置で力をかけると、力をかけた方向の歯根膜が圧迫されます。


圧迫された歯根膜は「苦しい、スペースを作ってこの状態を何とかしなければ」と、歯根膜内の血管から骨を溶かす破骨細胞を分泌し、歯を支えている顎の骨である歯槽骨を溶かします。


③歯槽骨が溶けた分だけスペースが空き、スペースの分、歯が動く


歯根膜から分泌された破骨細胞によって歯槽骨が溶け、溶けた分のスペースが空きます。


スペースが空くことで歯が動けるようになり、スペースの分、歯が動きます。


④力をかけた方向と反対側の歯根膜が伸び、歯根膜内の血管から骨を作る造骨細胞が分泌される


—–


①~③により、破骨細胞で溶かされた分だけスペースが空き、歯が動きます。しかし、破骨細胞だけでは矯正は進められません。歯が動いた後、力をかけた方向と反対側の部分はすき間が空いてしまいます。


すき間が空いてしまった反対側の部分はどのように埋めるのでしょうか?それは、以下のような仕組みによって行われます。


—–


破骨細胞により歯槽骨が溶けて歯が動いた分、力をかけた方向と反対側の部分が引っ張られ、歯根膜が伸びます。


伸びた歯根膜は「あれ?歯が動いてスペースが空いてるぞ?このままでは不安定だから、早く骨を作ってスペースを埋めなきゃ」と、歯根膜内の血管から骨を作る造骨細胞を分泌し、歯が動いて空いたスペースを骨で埋めます。


⑤歯槽骨が溶けて歯が動く→動いた分のスペースを骨で埋める、をくり返して、少しずつ歯並びが整っていく


上記の①~④により歯槽骨が溶けて歯が動く→動いた分のスペースを骨で埋める、をくり返すことで、少しずつ歯並びが整っていきます。


■マウスピース矯正で歯が動く理由


上記が、歯科矯正で歯が動くメカニズムです。ワイヤー矯正、マウスピース矯正などの矯正方法を問わず、歯科矯正(成人矯正・2期矯正)のメカニズムは基本的に同じ仕組みで成り立っています(※)。


(※)3~9歳頃に行う小児矯正「咬合誘導」では、お口の筋肉

トレーニングや拡大装置により、小さな子どものやわらかい顎

の骨の成長を利用して歯並び・顎の骨格を広げていきます。


以前、ブログにて「マウスピース矯正の仕組み」をご説明させていただきました。ブログをまだお読みいただいていない方のために、おさらいとして、「マウスピース矯正で歯が動く理由」を以下にカンタンにご紹介します。


◎「ちょっと先」の形をしたマウスピースを装着することで、その形に合わせて少しずつ歯が動いていきます


インビザラインをはじめとして、マウスピース矯正ではマウスピースを歯にかぶせて歯並びを整えます。


マウスピースはどれも違う形状で作られています。一つとして同じ形のマウスピースはありません。


矯正治療の最初の段階で用いるマウスピースは、患者様の現在の歯並びとほぼ同じ形をしています。矯正が進むにつれ、マウスピースの形は患者様が思い描く「理想の歯並び」へと近づいていきます。


マウスピース矯正で装着するマウスピースは、患者様の現在の歯並びとは少し異なる形をしています。


あえて、現在の歯並びとは少し異なる「ちょっと先」の形をしたマウスピースを装着することで、その形に合わせて少しずつ歯が動き、歯並びが整っていきます。


【人間の身体が持つ代謝機能により、歯科矯正のメカニズムが成り立っています】


今回は、「歯科矯正で歯が動くメカニズム」および「マウスピース矯正で歯が動く理由」についてご紹介をさせていただきました。


破骨細胞で溶けた骨の分だけ歯が動き、歯が動いた分、骨が作られる、歯科矯正のメカニズム。


人の身体は本当に不思議な神秘に満ち溢れています。


人体のメカニズムを最大限に活用し、歯並びを整えていく近代の歯科矯正が始まったきっかけは1728年。フランスの歯科医師、ピエール・フォシャールが記した著書「歯科外科医」が端緒とされています。


当院では、今後も、皆様に面白くお読みいただけるような、歯科治療に関するさまざまなテーマを扱っていきます。お手すきの際に、ブログをご参照いただければ幸いです。


-矯正治療の無料相談を行っています-


大阪府八尾市の谷口歯科クリニック・京橋の京橋オレンジ歯科クリニックでは、矯正治療の無料相談を行っています。


矯正のクリニック選びや歯並びの乱れでお困りの方は当院までお気軽にご相談ください。相談費は無料です。


ご相談の際は現在のお悩みやご希望の矯正方法をじっくりとお伺いし、それぞれの方に適した治療をご提案させていただきます。カウンセリングはWEB、または、お電話にてご予約可能です。

医療法人 善心会
歯科医師