虫歯や歯周病というのは、自然に治ることがない病気です。今は軽度であったとしても、放置することで症状がどんどん悪化していくため、できるだけ早期に治療を受けた方が良いといえます。ただ、近いうちにインビザラインを始める予定の人は、矯正が終わってから虫歯や歯周病の治療を受けても良いように感じますよね。そこで今回は、インビザラインを始める段階で虫歯や歯周病が見つかったケースについて詳しく解説します。
▼原則は虫歯・歯周病治療を優先
インビザラインを始める前に虫歯や歯周病が見つかった場合は、原則としてそれらの治療を優先させます。もちろん、ケースによってはインビザライン矯正に支障をきたさないこともありますが、素直に考えてみても先に虫歯や歯周病を治しておいた方が好ましいと言えます。それは以下のような理由からです。
◎矯正治療は数年に及ぶ
一般的な全体矯正は1~2年、長い場合は3年以上かかります。その間、自然に治ることのない虫歯や歯周病を放置するのは、健康上はもちろん、心理的にも良くありませんよね。虫歯や歯周病は進行性の病気であり、数年にわたる矯正期間で徐々に症状も悪くなっていきます。
◎症状が悪くなると矯正の失敗につながる?
インビザライン矯正は、最初の段階ですべてのマウスピース(=アライナー)を作成しますよね。つまり、精密検査を行った時点での歯列の状態が反映されているのです。そこで仮に虫歯が重症化して歯の形や大きさが変わってしまったらどうなるでしょうか?歯の形や大きさが1本くらい変わっても矯正に支障はきたさないのでは?と思われるかもしれませんが、実際はそんなことはありません。
ひとつの歯の大きさや形が変わると、全体の噛み合わせまで変化させることもあるからです。そもそも最初に作った数十枚のマウスピースも適切な矯正力を与えられなくなるため、治療計画を一から立て直す必要性も出てくるのです。そうしたリスクを考えた場合、虫歯はインビザライン矯正を始める前に治した方が良いことがわかりますね。
◎歯周病は顎の骨の状態を悪くする
歯周病は、歯茎に炎症や出血をもたらす病気なので、一見すると矯正治療には直接的に関係していないように感じます。けれども、実は歯周病は虫歯以上に矯正治療を妨げる要因ともなり得るのです。というのも、歯周病が重症化すると歯茎や顎の骨を破壊するという症状が現れます。矯正では顎の骨が健康な状態でなければならず、歯周病によって破壊されると歯の移動が正常に進まなくなります。最悪のケースでは、矯正によって歯が抜けるようなこともあるため、十分な注意が必要といえます。
▼インビザライン中に虫歯・歯周病治療を受けることも可能?
比較的軽度の虫歯や歯周病であれば、インビザライン矯正中でも治療を受けることができます。どうしても今すぐにでもインビザラインを始めなければならない理由がある場合は、そうした方向で治療を進めても良いかと思いますが、基本的には虫歯・歯周病治療を優先させることが重要と言えます。
▼まとめ
今回は、インビザライン矯正を始める前に虫歯・歯周病が見つかったケースについて解説しました。今現在、虫歯や歯周病がある場合は、まずカウンセリングの段階で歯医者さんに相談することが大切です。ほとんどのケースでは、虫歯や歯周病治療を優先しましょうという話になるかと思います。
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