矯正中、歯に違和感(歯がむずむずする、歯がかゆい)を感じることがあるのはなぜ?対処方法は?|マウスピース矯正(インビザライン)|京橋オレンジ歯科クリニック

〒534-0024 大阪府大阪市都島区東野田町1-21-11

ブログ BLOG

矯正中、歯に違和感(歯がむずむずする、歯がかゆい)を感じることがあるのはなぜ?対処方法は?


「矯正中、歯がむずむずして、歯がかゆい…」

「矯正をしていて、歯がかゆいことがあるのはなぜ?異常が起きているんじゃないの?」


歯科矯正は、矯正装置をつけて歯を動かすことに伴い、様々な副作用・リスクが発生する可能性があります。


様々な副作用・リスクがありますが、比較的、多く見られるのが、矯正中の歯の違和感(歯がむずむずする、歯がかゆい)です。


今回は、矯正中に生じることがある「歯の違和感(歯がむずむずする、歯がかゆい)」について、原因・対処方法をご紹介します。


■矯正中、歯に違和感(歯がむずむずする、歯がかゆい)を感じることがある理由&対処方法


歯科矯正では、装置の装着や歯の移動にともない、以下のような原因により、歯に違和感(歯がむずむずする、歯がかゆい)を感じることがあります。


①最初に装置をつけたとき・装置の調整時の違和感


マウスピース矯正・ブラケット矯正など、矯正方式を問わず、歯科矯正では矯正装置をつけて力をかけ、少しずつ、歯を動かしていきます。


特に、最初に装置をつけたときは、歯に違和感を感じ、歯がむずむずする、歯がかゆくなることがあります。


最初の装着時に加え、歯科矯正では、装置をつけることにともない、以下のような場面で歯の違和感を感じやすいです。


[歯科矯正で歯の違和感(歯がむずむずする、歯がかゆい)を感じやすい場面]


  • 最初に矯正装置をつけたとき

  • マウスピース矯正中、マウスピースを交換したとき

  • ブラケット矯正中、定期通院でワイヤーを締め直したとき


≪対処方法≫


矯正中、装置によって歯に違和感を感じるのは、歯が動いている証拠です。基本的に、装置の装着が原因の歯の違和感に対しては、処置(違和感を緩和・解消するための処置)は行いません。


なお、歯が強く痛んで我慢できない場合は、痛み止めの内服薬を飲むことで、痛みを緩和する方法もあります(※)。


(※)矯正中は、カロナールなど、抗炎症作用が少ない痛み止めの内服をおすすめしています。抗炎症作用が強いロキソニンやイブプロフェン、ボルタレンなどの痛み止めを飲んでしまうと、矯正の歯の動きがさまたげられるおそれがあります。


②補助処置を行ったとき(アタッチメント、アンカースクリュー、顎間ゴム、IPRなど)


歯科矯正では、歯の動きを強めたり、歯を動かすスペースを作るために、以下のような、補助処置を行う場合があります。


[歯科矯正で行うことがある補助処置]


  • アタッチメント(インビザラインの独自技術)

  • アンカースクリュー

  • 顎間ゴム


など


補助処置で歯にかける力を増すことにともない、患者さんによっては、歯に違和感を感じるケースも。


{歯の隣接面を削るIPRの施術後、刺激によって歯に違和感を感じることがあります}


歯科矯正の補助処置には、歯の隣接面(歯と歯のすき間)のエナメル質を少しだけ削り、歯を動かすスペースを作る「IPR(ディスキング)」もあります。


IPRでは、エナメル質を削ったときの刺激により、施術後、一時的に歯に違和感を感じることも。


≪対処方法≫


補助処置によって歯に違和感を感じるのは、歯が動いている証拠です。基本的に、補助処置が原因の歯の違和感に対しては、違和感を緩和するための処置は行いません。


原則として、違和感に対する処置は行いませんが、あまりにも強く歯が痛む場合には、補助装置を緩めるなどして、症状の緩和を図ることもあります。


なお、IPR後の歯の違和感は、ほとんどの場合、一時的なものです。通常、IPRの施術後は、1~3日以内に歯の違和感は治まります。


③マウスピースの縁が歯ぐきを刺激している


インビザラインのマウスピースは、歯ぐきを覆わず、歯と歯ぐきの境目までをカバーするデザインで作られています(スカラップライン)。


歯と歯ぐきの境目にマウスピースの縁がある構造のため、口腔内の形状によってはマウスピースの縁が歯ぐきに当たり、歯の違和感や歯ぐきの痛みを感じる場合も。


≪対処方法≫


矯正中、マウスピースの縁が歯ぐきに当たり、歯の違和感や歯ぐきの痛みを感じる場合は、歯科医院にてマウスピースの縁を切り取ることで、違和感を緩和しやすくなります。


【矯正中の歯の違和感は「歯が動いている証拠」】


矯正中に感じることがある歯の違和感の多くは、歯を支えている顎の骨の炎症反応(破骨&造骨)によるものです。


  1. 装置で力をかけることで歯を支えている顎の骨が溶ける

  2. 顎の骨が再度作られる


という骨の形成を繰り返し、少しずつ歯を動かすことで歯並びが整っていきます。


矯正中の歯の違和感や歯の痛みは、しっかり歯が動いている証拠です。


矯正中、歯の違和感や歯の痛みを感じたときは、「歯が動いているんだな」と認識するようにしましょう。歯が動き、理想の歯並びに向かっている、と認識できるようになれば、矯正中の違和感は気にならなくなっていくことが多いです。


強い違和感や、「これって大丈夫なの?」と思うことがあれば、お気軽にご相談ください。

医療法人 善心会
歯科医師